こんにちは。
やまざきたかし( @yamazaki_1205 )です。
人工知能(AI)という言葉を聞いて、あなたはどんなことをイメージしますか?
わたしは子供の頃に「ドラゴンクエスト(ドラクエ)4 」で初お披露目された、コマンドを入れなくても自動で行動してくれる「AI戦闘」なる画期的な( ? )システムを思い出します。
この時は、味方がトンチンカンな攻撃を繰り出しても全くコントロールできないことに絶望していたのが良い思い出です。
時代は変わって、やれ「将棋の〇〇プロに勝利した」「AIによって人間の仕事が奪われる」など、センセーショナルな見出しのニュースを見る機会も多くなりました。
今回は、そんなAIについて解説した「キーワードで読み解く人工知能 『AIの遺電子』から見える未来の世界」を読んで、感じたことを紹介していきます。
※本記事は株式会社エムディエヌコーポレーション様から書籍をご提供いただいての内容となります。
「キーワードで読み解く人工知能」の概要
本書は、マンガ『AI(アイ)の遺電子』を題材に、AIを取り巻くキーワードを解説しています。
その構成は以下の通り。
- CHAPTER1 AIの進化
- CHAPTER2 AIのビジネス活用
- CHAPTER3 AIと人間
- CHAPTER4 AIと未来の社会
読み進めていくことで、AIが得意とし人間は到底叶いそうにないことと、逆にAIも当分の間はできそうもないことが見えてきます。
わたしたちが普段当たり前にやっているようなことも、実はAIによって再現するのは困難を伴うことが分かると、人間のすごみも意識できるのが面白いところです。
「キーワードで読み解く人工知能」より今すぐ知っておきたいトピック
エンジンの仕組みを説明できなくても車を運転することができます。
同じように、大多数の人は人工知能の技術的な部分を知らずに日常的に触れる機会が増えるはず。
それでも、概念として知っておくと今後の進化について興味が湧くであろう内容を紹介します。
シンギュラリティ
「シンギュラリティ」は本書の最初に紹介されているキーワードで、類書や関連トピックを扱った記事でも当たり前のように使われているキーワード中のキーワードです。
シンギュラリティは人工知能によってもたらされる人間文明の爆発的加速を予測する、象徴的な言葉としてしばしば紹介される。正確には「テクノロジカル・シンギュラリティ(Technological Singularity)=技術的特異点」と呼ばれる。
シンギュラリティの未来予測については専門家の意見もバラバラで、素人は一番最初に触れた意見に影響されそうなところ。
機械学習と、AIには「まだ」できないこと
AIが得意とすることと「まだ」できないことを知るには、どのような学習によって進化するかを知ることが必要です。
学習の仕方として
- 予測に強い「教師あり学習」
- 分類に強い「教師なし学習」
の2つはぜひ知っておきたいところです。
データの重要性を知るほどに、また類書を読んでいくと「シンギュラリティ」は生きているうちに実現するのかなぁ…と思わされます。
この概念を理解として落とし込むことができれば、「残る仕事」「なくなる仕事」のような分野も未来予測ができるかもしれません。
人間の持つ感覚の再現
人間は視覚情報を中心に、五感で情報を得ています。
しかも、それらは個々に存在するのではなく統合して意味を理解しているわけです。
印象的だったのが自動運転車の乗り心地のお話。
自動では動くけれど、人間が運転するかのようなテクニックを得るには時間がかかるようです。
確かに、カクカクと曲がり加速や減速がキツそうではありますね…。
文系でもOKな「キーワードで読み解く人工知能」の使い方
本書の帯に大きく書かれている通り、特に仕組みとしての人工知能について知識や興味がなくても2018年現在の状況とトピックを知ることができます。
人工知能については冒頭でも触れているように、センセーショナルに扱われたり逆に「できないこと」についての失望が強調されがちです。
そんな中、ニュートラルに人工知能を知る上で役立つことでしょう。
さらに、本文中に参考図書が表紙の写真つきで紹介されています。
基本的には入門書の位置付けではあるものの、特定のトピックについて興味があればそこから知識を広げていく使い方もアリです。
特に、何かと引用されることの多い「東ロボくん」プロジェクトについて詳しい『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』は、本書との親和性も高いと言えます。
「キーワードで読み解く人工知能」のマインドマップ
わたしは人工知能の分野に詳しくないこともあり、本書の目次を網羅的に取り上げてみました。
できあがったものをザッと眺めてみると、生きていく上で特に意識することのなかった人間の機能について、これが当然のものではなかったのだと気づくことができます。
さらに、かつて「脳死」について法律ができた時期に「死」の定義が議論になったように、今後定義の見直しが迫られるであろうトピックがあちこちにあるのも分かります。
最後に
「キーワードで読み解く人工知能 『AIの遺電子』から見える未来の世界」より、特に興味深い内容を紹介してきました。
20世紀に描かれたSFとは少しカタチを変えて、これまでの延長線上にはない何かが実現する日もそう遠くはないのかもしれません。
それではまた。