こんにちは。
やまざきたかし( @yamazaki_1205 )です。
あなたは、スーパーの試食コーナーつきの売り場で、買うつもりはなかったソーセージを買ってしまった経験はありませんか?
ぼくも、つい一つ受け取ったばかりにカゴに入れたことがあります。
もちろん、ソーセージを買うくらいなら、おかずの一品をおいしくいただくだけで終わりますから、結果として満足しか残らないでしょう。
しかし、この原理を悪用することに長けた人にダマされたら、大きな損害が出るような失敗をしてしまうかもしれません。
そんな原理を解説したのが、今回ご紹介する書籍『影響力の武器』です。
450ページほどの厚い本の中には、いい悪いではなく「人間はこのように行動してしまう」心理がたくさんの実例を交えて書かれています。
世の中にあるマーケティング手法の一端、いや多くの部分が説明できてしまう本書の内容を知っておけば、購買行動をはじめ、多くの説得のシーンで参考になるでしょう。
もちろん、あなた自身がマーケティングの当事者となる場合にも役に立ちます。
以前から本書は手元にあったのですが、染谷昌利さんのセミナーを受講したことをきっかけに見直してみました。
今回は、冒頭に挙げた試食販売を例に、それぞれの項目を見ていきます。
「影響力の武器」6項目
内容として、これらの項目が挙げられます。
- 返報性
- コミットメントと一貫性
- 社会的証明
- 好意
- 権威
- 希少性
返報性
返報性は、いわゆる「ギブ・アンド・テイク」です。
何かをしてもらったり受け取ったら、「恩を返さないと」と思う心理が働きます。
試食コーナーで、販売員さんはこんなことを言っています。
もちろん、タテマエではそう。
しかし、それがどうあれ既に返報性のルールは作動しています。
無料試供品の強みは、それが一種の贈り物であることから、その場に返報性のルールを持ち込む点にあります。
ですから、特に例を考えるまでもなく、試食販売では返報性のルールは当てはまるわけです。
「ギブ・アンド・テイク」なのに、ひと切れと一袋が対象でも成り立つのですから、その威力は絶大です。
コミットメントと一貫性
こんな場面を想像してみましょう。
体よく断るために、少量の袋があればなぁと匂わせたところ、実際にあると提案されました。
一度その旨を宣言した手前、ここでは断るハードルが極端に上がります。
このように、人間は一貫した行動をとろうとする性質を持っています。
社会的証明
今日の試食コーナーは、たくさんの人でごった返していました。
普段なら素通りするコーナーでも、あなたは少し気になって立ち寄ってみたくなるでしょう。
それは、このような原理が働いているから。
私たちは他人が何を正しいと考えているかにもとづいて物事が正しいかどうかを判断する、というものです。
ですから、たくさんの人を見てそれに惹かれるのは自然なことです。
仮にその人たちが「サクラ」でも、あなたには関係がありません。
好意
あなたは、試食販売員さんにホレてしまいました。
分かりやすいですね(笑)。
好意が及ぼす影響力も絶大です。
ただ、ここでは「ホレた」ことになっていますが、好きになる要因はいくつかあります。
- 外見の魅力
- 類似性
- お世辞
- 接触と協同
権威
ある日、いつもの試食販売員さんが、テレビで紹介されていました。
実は、凄腕の超人気で知られ、全国にファンがいるそうです。
よく見ると、腕には特別な腕章がつけられています。
人は、権威に弱く、時に盲目的にもなります。
それは、必ずしも実体を伴わず、姿形だけが「それっぽい」だけでも成り立つのが恐ろしいところです。
希少性
ほとんどすべての人が、なんらかの形で希少性の原理に支配されています。
普段は興味を持っていないような商品でも、「生産中止」「品薄」といったニュースを聞くと、とたんに魅力的なものに感じてしまいます。
このような数量を限定する場合だけでなく、時間を制限することによって購買行動を煽る手法も定番といえるでしょう。
「影響力の武器」を持った地上最強の試食販売員・まとめ
書籍『影響力の武器』で紹介されている原理は、マーケティングの定番手法から、「実はこのようなカラクリが!」というものまで身の回りにあふれています。
一読してみると、「売りたい」「買いたい」双方の場面で役に立つことは間違いないでしょう。
今回は試食販売に限定したので少し強引な例もありますが、本を手に取れば、「なるほど!」と思える実例にきっと出会えます。
それではまた。